修理行者などがGPUの診断をするために、Nvidia MODSというツールを使うことがあります。Nvidia公式が修理行者のために出しているものらしく、一般向けには公開されていません。しかし、どうやらそのツールがネット上に漏れているようです。
ググると数は少ないですが、いくつかフォーラムや記事、Youtube動画が投稿されており、ダウンロードして実際に使用することができます。この記事ではNvidia Modsの使い方を簡単に紹介していきます。

その1 ファイルを用意する

この動画の概要欄にダウンロードするリンクが載せられています。もちろん、私とは一切関係ありませんので、この動画に関して私に何か聞いたりしないで下さい。
また、この記事は下記の動画を参考にして書いているので、ぶっちゃけこの動画を見れば全てわかります。

No Title

No Description

その2 Nvidia MODSをUSBメモリに入れる

ファイルがダウンロードできたらzipファイルを展開し、更にその中にあるzipファイルも展開します。全て展開すると、「rufus」というソフトと「mats3」というフォルダがあると思います。まずは「rufus」を起動します。

起動すると下記のような画面が現れます。ここでUSBメモリを差し込んで下さい。
パラメーターの設定は
デバイス:挿入したUSBメモリの名前を選択
ブートの種類:FreeDOS
他は変更なしです。
準備ができたら右下のスタートを押します。
この時、USBメモリの内容は全て削除されてしまうので、必要なファイルがある場合は、必ず退避させてください。

書き込みが終わったら一度PCの電源を切ります。

その3 Nvidia MODSを起動する。

先ほどのUSBメモリを差し込んだ状態でBIOSを起動させます。
ほとんどのPCは電源ボタンを押してからすぐにDeleteキーを連打しているとBIOS画面に移りますが、Deleteキーがない、DeleteキーではBIOSが起動しない場合は下記の操作を行なってください。

Windows10の場合

「設定」を開きます。
「更新とセキュリティ」をクリック
「回復」をクリック
「PCの起動をカスタマイズする」の場所にある「今すぐ再起動」をクリック
「トラブルシューティング」をクリック
「詳細オプション」を選択
「UEFIファームウェアの設定」を選択
「再起動」をクリック
これで再起動をした後、自動的にBIOS画面が表示されます。

Windows11の場合
「設定」を開きます。
「システム」をクリック
「回復」をクリック
「PCの起動をカスタマイズする」の場所にある「今すぐ再起動」をクリック
「トラブルシューティング」をクリック
「詳細オプション」を選択
「UEFIファームウェアの設定」を選択
「再起動」をクリック
これで再起動をした後、自動的にBIOS画面が表示されます。

BIOSが起動したらUSBメモリのデバイス名(商品名とかの名前、自分がつけた名前ではない。)を選択するなり起動順序の一番上にするなりしてUSBメモリからNvidia MODSを起動させます。Asrockの場合は画像のような画面になっているかと思います。

選択して放置したらこのような画面になります。

この後のコマンドは、自身が使用しているグラフィックボードによって異なってきます。
GTX1000シリーズ以下の場合、

cd 367.38.1


1600シリーズ、2000シリーズの場合、

cd 400.184

3000シリーズの場合、

cd 455.127

と打ち、Enterを押します。 次に以下のコマンドを打ちます。

./mats -e 15 |less

lessの前にある「|」の出し方ですが、日本語キーボードでは「Shift + ]」で打つことができます。かなキーボードの「む」にあたります。Enterキーのすぐ左にあります。

実行するとテストが行われます。この時、激しく点滅しますので注意してください。
テストが終了すると以下の画面が出ます。
「=== MEMORY ERRORS BY SUBPARTITION ===」
の下の部分にエラーがある場合は、該当するメモリが故障していることを示しています。
細かい解説は後ほど行います。また、このファイルはUSBメモリ内に記録されるので、メモや写真をとる必要はありません。

結果を確認することができたら、「Ctrl + c」を押した後、「reboot」と打ち、再起動します。電源を切ってしまいたい場合は、再度BIOS画面に行き、電源ボタンを押すと電源を切ることができます。

その4 結果を確認する

USBメモリからテスト結果を確認します。PCに先ほど使用したUSBメモリを挿入し、中身を開きます。
次に「mods」フォルダーを開き、「report.txt」というファイルを開きます。
内容は上の画像と同じものとなっています。
サンプルとして私が行った際のログを載せておきます。

この画面で注目する部分は、
=== MEMORY ERRORS BY SUBPARTITION ===
の部分です。「FBIO~~」がメモリの場所、数値がエラーの数となっています。
おそらくチップの向きを正面に見て右下からFBIOA0、FBIOA1、FBIOB0…の順に対応しています。以下の画像はRTX2080tiでの例です。

注意:画像はメモリの場所が必ずしも正確であるとは限りません。他のウェブサイトや動画も併せて確認してください。

これでどの部分が不具合を起こしているかが分かると思います。リフローなどして修理をした後、再度動作確認を行う場合は、再度その3からテストを行なってください。

まとめ

今回はGeforce系のグラボを診断する「Nvidia Mods」について紹介しました。内容としては少々難しいかもしれませんが、使い方が分かると非常に有能なツールだと思います。PCが故障した時の切り分けを行うためにも、専用のUSBメモリを用意しておくと良いでしょう。

投稿者 カワディアン

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「Nvidia MODSを使用してGPUメモリの診断をする。」に4件のコメントがあります
  1. 1080Tiに使用する場合の選択はどれを選べばよいのでしょうか。
    一応1000以下と1600/2000の両方を試しましたが、画面の色が切り替わることなく、
    どちらも問題ないという旨が画面へ出力されました。これは検査出来ているという事で良いのでしょうか。
    何かご存じであれば教えて頂きたいです。

    1. 現在持っているグラボが2080のため、同様の検証ができず申し訳ないですが、画面が切り替わらずにすぐPASSと表示された場合、正しくテストされていないかと思われます。HDMIをPCの内蔵グラフィック側の端子に差し替えてみたり、テストサイズを変更してみてください。
      以下の15を45や100などに変更して実行してみてください
      ./mats -e 15 |less

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